株式会社中村建設ナカフサ-兵庫県豊岡市/建設・住宅設備

庭のある古民家の門塀を施工

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今回、依頼があったのは兵庫県香美町にある古民家。

施工前は、一方通行の道路に面し、駐車スペースのない門塀がある築120年の古民家であった。

施主様の要望は、『路地水路との高低差が少ない水はけが悪い庭の環境を改善し、庭奥にある亀甲模様のなまこ壁を持つ内蔵の景観を生かしながら広がりのある庭を作り、駐車スペースと風情のある門塀を作り、広縁からの景観を良くし、当家に来訪される皆様と但馬の四季を楽しむ庭を造りたい。』

 

当社の提案

庭の排水は、民家の地盤が粘土まじりの砂質土のため、流動化対策で建物の庭側のごろた石の下に円形水路を配置して地下タンクを作り、ボルトアップで水路に流す。暗渠排水から地下タンクに水が落ちる音が水琴窟のような音を立て、雨天時の一つの風情となり、60~80mm/wの雨量にも対応させた。

塀(RC)については、既設蔵の並びに隣家から間隔を取り(旧塀以上に)排水を兼ねる土間を持たせ、路地より控えて配置させ(駐車スペース)、門は両引きの扉を吊り扉とし、開放時に蔵の亀甲模様と石張り床から庭が映える配置とした。

塀の庭側は「栗の名栗」で仕上げ、木部全体を自然塗料にて含浸させ、木部の風合いを残す配慮とし、庭自身が主役であるように門塀ともに瓦の照りや起りを封印し、なるべく主張がないように努めた。

古民家内部の組子紋様建具との調和を考慮し、門扉にも組子細工を採用した。

一時退避させた改修前からある庭苔に、新たな苔を加え、新築当初からの風情を今に伝えた。

 

<施工前>

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<施工後>

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